キャッチーな販促文章が顧客の目に留まり、購買意欲を高めるというケースはよくあることです。そのような顧客を引き付ける文章はどのようにして生まれるのでしょうか。
実は文章力はあまり重要ではありません。文章をひらめく前の準備段階がもっとも重要な工程です。
本記事では、顧客の心を引き付ける販促文章を作成するコツを解説します。実際に使える文章例も紹介するので、販売促進のための文章作りに悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
販促文章が重要な理由
販売促進において文章は、実は2番目に重要な項目といえます。まずは、インパクトのある画像や動画で顧客の目を引くことがほとんどです。
しかし、画像だけでは顧客にとってその商品にどのようなメリットがあるのかを伝えることは難しいでしょう。そこで役立つのが、販促文章です。
顧客、いわゆるターゲットに対して商品の魅力的な効果をよりキャッチーな言葉で伝えられたとき、さらに購買意欲が高まり売上につなげられます。
顧客の心を引き付ける販促文章の3つのコツ
顧客にとって魅力的な印象を与える販促文章を作るためには、以下のような3つのコツがあります。
- ターゲットを絞る
- ターゲット像を明確にする
- ターゲットにとってのベネフィットを見つける
それぞれを詳しく見てみましょう。
1.ターゲットを絞る
販促文章でもっとも大切なことは、「誰に何を伝えるのか」ということです。この「誰」、つまりターゲットの部分が絞り切れていない販促文章は効果が薄くなります。
ターゲットを絞るためには、まず商品をどのような層に販売したいのかを考えましょう。このとき、おおまかに「女性向け」などというだけでは不十分です。
年齢・性別・地域・家族構成・行動パターンなど細分化し、ターゲットとなる顧客層を絞りましょう。
2.ターゲット像を明確にする
ターゲットとなる顧客層を絞りこんだだけではまだ十分とはいえません。さらにターゲット像を具体的にしましょう。
ターゲット像をより細分化することを、ペルソナ分析とも呼びます。ターゲット像の興味関心・悩み・ニーズ・不満などを細かく分析すると、おのずとベネフィットが見つかりやすくなります。
3.ターゲットにとってのベネフィットを見つける
販促におけるベネフィットとは、ターゲットが商品やサービスを購入した先にある嬉しい変化のことです。顧客はこのベネフィットに魅力を感じて商品を購入します。
販促文章にただ商品の良さを記載しただけでは顧客の心には届きにくいことも。
たとえば、「良質な食物繊維やビタミンが豊富なサプリメント」と表現するより、「毎朝快調・ダイエットや美容にも効果的なサプリメント」という文章の方が便秘や体形に悩んでいるターゲットにダイレクトに伝わる販促になります。
「2.ターゲット像を明確にする」で分析した、ターゲットが抱える悩みや不満の解決策を分かりやすく提示することが、販促効果の高い文章を作るコツです。
目的別!使える販促文章例
ターゲットに伝えたいベネフィットに応じて、効果的な販促のための定型文があります。定型文を元に、よりオリジナル性の高いセールスコピーになるよう、自社製品のイメージやコンセプトに合わせてアレンジを加えることが大切です。
特別感を演出したい場合
特別感を演出することで、スノッブ効果が期待できます。スノッブ効果とは、他人とは違うものが欲しいという心理のことです。
簡単に入手できるものより、希少性や限定性のあるアイテムを欲しがる行動心理を活用しましょう。
【文章例】
- 会員さま限定の〇〇
- 先着〇〇名さま限り
- いつもご愛顧いただいているお客さまへ特別のご案内
自分に向けられて発信された情報だという表現方法も、顧客が商品に注目するポイントになります。
限定感を打ち出したい場合
季節限定や数量限定などの言葉で、商品を購入した経験がある人も多いでしょう。限定感を打ち出した表現は、購入を迷っている顧客の後押しとして効果的です。
【文章例】
- 期間限定の〇〇
- 〇〇歳の女性限定!
- 〇日間限定の特別価格
「今買わなければ無くなってしまうかもしれない」という希少性は物の価値を高めます。よって、顧客の購買意欲が向上するのです。
お得さをアピールしたい場合
お得さをアピールする場合は、なぜお得なのかも付け加えると説得力が増します。ただ安さだけを強調し過ぎてしまうと、「安い理由があるのかもしれない」という不信感を顧客に抱かせてしまう恐れがあるからです。
【文章例】
- 新生活応援セール!
- リニューアルのための売りつくし
- お値段そのままで増量
また、セールスコピーには数字を取り入れると、より分かりやすさがアップします。顧客は活字だけだと流し読みをしてしまう性質があるからです。
具体的に、「30%オフ」などと数字を活用して分かりやすい表現を心がけましょう。
簡単さを訴求したい場合
顧客が商品やサービスを購入するときの心理のなかに、「損をしたくない」という思いがあります。無駄な出費をしたくないのは誰しも同じですよね。
簡単さをアピールすることで、「自分でもできるかもしれない」と購入のハードルを下げることが可能です。
【文章例】
- 〇〇するだけでオッケー
- 帰宅して〇分で完成!
- 初心者でも安心
実際に商品を購入したお客さまの感想を載せるのも効果的です。同じような立場の人が使用した具体的な意見があることで、より説得力が増します。
共感を促したい場合
ターゲットが悩んでいることや不満に思っていることを疑問形で投げかけることで、自分の悩みを解決してくれるのではないかと商品への期待値を上げることが可能です。
また、顧客自身も無意識のうちに抱いていた不満を指摘されて、商品に興味を持ってもらえるという場合も。
【文章例】
- 毎日の〇〇にうんざりしていませんか?
- 〇〇のプレゼント選びに頭を抱えていませんか?
- あなたの〇〇、いつまで我慢しますか?
質問されると自発的に答えを考えるようにできているのが、人間の脳です。コーチングと呼ばれる、対話形式で相手の自発性を促す手法は、マーケティング業界でも取り入れられています。
まとめ
日常生活でもよく目にする販促文章。購買意欲を高めるためにはターゲットの明確化とベネフィットを魅力的に伝えることが大切です。目的に応じて効果的な定型文を使い分けて、顧客の心に残る販促文章を作りましょう。