ハンドメイド服の制作や販売を手掛ける方のなかには、オリジナルの洗濯ネームを作りたいと考えている方もいるのではないでしょうか。購入者が安心して洗濯がしやすい洋服に仕上げるために、適切な洗濯表示をした洗濯ネームを作成するポイントをお伝えします。
適切な洗濯表示をプリントしたオリジナルの洗濯ネームを作る手順とは?
洗濯ネームを作成する場合、どのような手順で作成すれば良いのでしょうか。衣類に適した洗濯表示をするためには、まず衣類に使われている生地の繊維成分を精確に把握して表示することが必要です。メインで使われている表地だけでなく、裏地や中綿といった素材も洗濯ラベルの表示対象となるため、素材すべての繊維について丁寧に調べることが求められます。なお、ボタンやファスナーといったパーツに関しては、調べる必要はありません。
生地の繊維が分かったら、生地の特性に合った洗濯方法を表示できるように、ラベルにプリントする洗濯の絵表示を選択しましょう。日本国内では、従来はJISと呼ばれる日本工業規格に基づいて洗濯表示をすることが定められていましたが、2016年以降はグローバルな基準に則った新しい規格が採用されています。消費者庁のホームページなどにも絵表示の情報が記載されていますので、参考にしてオリジナルの洗濯ネーム作成に役立ててください。
基本的には、生地の繊維の種類に応じて洗濯の絵表示が決まっています。特殊加工を施した素材の場合、一般の洗濯表示では不十分なこともありますので、素材を仕入れたメーカーやお店に問い合わせて確認すると良いでしょう。オリジナルの服に対する安心感を高めるためにも、きちんとこだわって洗濯ネーム作成に向けた準備をすることが大切です。
絵表示を使った基本的な洗濯表示に加えて、お手入れに関するアドバイスを付け加えたいなら、「タンブラー乾燥禁止」といった表示を付け加えることを検討してください。繊細な飾りがついたデザイン性の高いオリジナルの洋服の場合、「洗濯ネット使用」や「飾り部分アイロン禁止」といった付記用語があると、適切にお手入れをしてもらいやすいです。色移りがしやすい素材を使っている場合、「他の色柄物と分けて単品で洗濯をしてください」といった注意書きがあると親切です。
洗濯ラベルには、洗濯の方法に関する情報と共に、洗濯表示に関する表示者名をプリントすることが必要です。個人製作の場合は個人名のフルネーム、会社で製作している場合は正式な会社名をプリントします。住所や電話番号といった連絡先についての情報も併せてプリントしましょう。
オリジナルの洗濯ネームにプリントしたい内容が決まったら、洗濯ネームに使う素材を選択してください。一般的なラベルの素材としては、ポリエステルサテン素材やナイロンタフタ素材が挙げられます。ポリエステルサテン素材は、薄手でやわらかな素材で、洗濯ネームにはもっともよく使われます。肌触りがやさしく、着用しているときにタグに触れても気になりにくいのが特徴です。なお、ほつれやすい素材のため、衣類を縫製する際に、あらかじめ切り口を縫い込んだ形で縫製することが求められます。ナイロンタフタ素材は、紙のような質感が特徴の素材で、表面がコーティングされていて、滑らかで光沢感があります。ポリエステルサテン素材よりも丈夫でしっかりとした素材なので、繰り返し洗濯をしても、洗濯ネーム自体が劣化しづらいです。また、比較的ほつれにくい素材であり、切り口を縫製せず、カットオフした状態で使えるところも便利です。こだわりのあるオリジナルのハンドメイド服に合った高級感のある洗濯ネームに仕上げたい場合、ナイロンサテン素材がおすすめです。洗濯ネームの幅については、制作会社によって多少の差はありますが、20mmから60mm程度の幅のテープが用意されている会社が多いです。
洗濯ネームの素材や幅が選択できれば、最後に作成する枚数を決めましょう。ハンドメイド市場が拡大するなかで、小ロットでのオリジナルの洗濯ネーム作成にも対応してくれる会社が増えています。少ない数の作成だからと言って躊躇することなく、洗濯ネームの制作を専門的に手掛ける会社に見積もりを依頼してみましょう。具体的に必要な費用や期間が分かると、オリジナルの洗濯ネームに対するイメージが抱きやすくなるはずです。
洗濯の絵表示の基本的な知識を知っておこう
納得のできるオリジナルの洗濯ネームに仕上げるには、新しい規格に基づく洗濯表示に関して基本的な知識を身に着けておくと良いでしょう。洗濯表示には、どのような種類の表示があるかをご紹介しますので、洗濯ネーム作成のヒントになさってください。
洗濯の絵表示表示は、家庭向けのクリーニングに関する情報と、クリーニング店でのクリーニングに関する情報があります。家庭向けのクリーニングの情報としては、「洗濯処理」や「漂白処理」という洗濯時に関する注意事項を示す記号のほか、「タンブル乾燥」や「自然乾燥」といった洗濯後の衣類の乾燥に関する絵表示、「アイロン仕上げ」に関する表示があります。クリーニング店での取り扱いに関する「ドライクリーニング」や「ウェットクリーニング」ができるかどうかを示す洗濯表示も、洗濯ネームには欠かせない情報です。
洗濯の絵表示は、目で見ただけで洗濯の仕方が理解しやすいのが特徴です。例えば、「洗濯処理」の絵表示の場合、洗濯桶のマークを用いて、洗濯桶の中に選択に適した温度を記して表示します。オリジナル服に繊細な素材を使っていて、洗濯機での洗濯ではなく、手洗いを推奨したい場合は、洗濯桶のマークと適温を表示したうえで、「手洗イ」という言葉を添えて表示してください。コンパクトなサイズの絵で、必要な情報を表現できる洗濯の絵表示を適切に用いて、完成度の高い洗濯ネームに仕上げてください。
まとめ
ハンドメイドブームが続くなかで、洗濯ネームを制作する会社のなかには、ハンドメイド服の制作者が利用しやすい小ロットでの作成に対応する会社が増えています。オリジナルの服に対するお手入れの方法を購入者に適切に伝えるために、情報が分かりやすくプリントされた洗濯ネームを作成しましょう。